セミナー(東京):IoT、3Dプリンティングと知的財産 - 欧州と日本の比較分析

March 01 2018

【概要】
現在の技術開発において最も注目を集めているIoT(Internet of Things、モノのインターネット)と3Dプリンティングは、事実上、あらゆる電子機器の相互通信を可能にしたり、カスタマイズされた製品又はプロトタイプ、さらには、たった一つの部品を製造することを容易にします。IoTは、電話や自動車などの装置だけではなく、セキュリティシステム、物流システム、及びドアロックなどのインフラストラクチャーにも影響を及ぼします。さらに、デジタル化を劇的に加速させ、電子機器との関わり方を変え、あらゆる面において私たちの日常生活に影響を与えます。3Dプリンティング技術は、顧客が製品を直接製作することを可能にします。IoTと3Dプリンティングは非常に重要な技術ですが、既存の知的財産の枠組みがこのような技術革新を保護するのに適しているかどうかは疑問です。3Dプリンティング技術によって可能になる私的製造又は3Dコピーは、知財制度の独占排他権 から外れるので、知財制度そのものを3Dプリンティングに合わせる必要があるかもしれません。また、IoTと共にデジタル化がさらに進むことにより、対応するソフトウェア、通信デバイス、ひいてはビジネスモデルを保護する必要性も高まります。現在の知財制度では、このような対応を行うことはほぼ不可能であると思われます。しかし、知財制度は、新しく誕生した技術と共に制度自体が発展してきた歴史を持っています。
本セミナーでは、IoTと3Dプリンティングに関連する新しい技術が現在の知財制度からどのような恩恵を受けるかについて、また、どのようにして知財制度を最新技術に適合させるべきかについて検討を加えました。

セミナーの要点は以下のとおりです。
a)IoTと3Dプリンティングの現状を知的財産の観点から簡単に説明。最近のIoTと3Dプリンティングに関連する特許出願や発明を検証し、日本と欧州の審査過程の共通点と相違点を検討。
b)欧州と日本に注目して、知的財産の国際的枠組みの範囲と限界を概説。IoTと3Dプリンティングのビジネスに役立つような内容を説明。
c)IoTや3Dプリンティングがビジネスに与える影響について議論。

【講演者】
1. 藤井 亮博士(園田・小林特許業務法人、パートナー、日本弁理士)
2. 冨樫 義孝氏 (園田・小林特許業務法人、パートナー、日本弁理士)
3. 仙波 和之氏(園田・小林特許業務法人、日本弁理士)
4. Robert Börner博士(Murgitroydミュンヘン事務所 ディレクター、 ドイツ及び欧州弁理士)
5. Ben Grau博士(Murgitroydミュンヘン事務所 、ドイツ及び欧州弁理士)

プログラム参照

【講演資料】

1.「IoTと3Dプリンティングの簡単な紹介、及び日本における特許出願の現状」冨樫 義孝氏 (園田・小林特許業務法人)

2.「IoTと3D印刷のヨーロッパにおける現状、及び同分野の特許出願の状況」Robert Börner博士、Ben Grau博士(Murgitroydミュンヘン事務所 )*本資料は、当初掲載分から変更されています。

3.「IoTと標準必須特許」仙波 和之氏(園田・小林特許業務法人)

4.「IoTの新しい知的財産の課題、および欧州でのビジネスに与える影響」Robert Börner博士(Murgitroydミュンヘン事務所)

5.「3Dプリンティングに関連する知財制度の新たな課題と日本におけるビジネスへの影響」藤井 亮博士(園田・小林特許業務法人)

6.「3D印刷がもたらす、知的財産における新たな課題とその課題が及ぼす、ヨーロッパビジネスへの影響」Ben Grau博士(Murgitroydミュンヘン事務所)*本資料は、当初掲載分から変更されています。

駐日欧州連合(EU)代表部
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