日本側専務理事 田辺靖雄
■挨拶
日欧産業協力センターは1987年以来、日本政府(経産省)と欧州委員会(成長総局)の合弁事業団体として長い歴史を有しますが、2020年7月に初めて日本の法人格として一般財団法人となり、名実共に新たな生命を吹き込まれました。
これは、2019年の日EU経済連携協定(EPA)、戦略的パートナーシップ協定(SPA)の発効等に見られるように、日EU関係が新たな高みに登ったことを反映しています。
その後2021年には日EU定期首脳協議において日EU間のグリーンアライアンスについて合意されました。その中で、当センターはビジネス分野における協力のファシリテー ターとしての役割が求められています。
さらに、2022年の定期首脳会議では日EU間のデジタルパートナーシップについて合意され、当センターは協力メカニズムとして位置づけられています。
このように、日EU関係は、世界的な課題であるグリーン分野、デジタル分野さらには経済安全保障分野を中心に協力関係をさらに強化することが求められています。
当センターは35年の活動経験をもとに、現在①政策情報提供、政策対話、②ビジネスマッチングの促進、③人材育成、④科学技術イノベーション協力の促進等の活動を強力に推進しています。これらの活動を通して、日EU間のグリーン分野、デジタル分野を中心とする協力関係が一層深まるよう注力してまいります。
関係者の皆様の一層のご支援、ご指導を賜りますようよろしくお願いいたします。
■略歴
東京大学法学部卒、スタンフォード大学大学院政治学修士課程修了。
1978年通商産業省(当時)入省以来、同省欧州課長、外務省経済局審議官などを経て、32年間日本政府勤務。この間主に貿易・エネルギー分野に携わる。
外務省では、ASEAN諸国、スイス、ペルーとの経済連携協定や日EU EPAの準備段階での貿易交渉官を務めた。
資源エネルギー庁では、国際エネルギー機関(IEA)の理事会メンバーも務めた。
政府を経て、日立製作所にて政府・渉外担当の執行役常務、執行役専務等(2010-2019年)。
エネルギー、鉄道、水など世界各国のインフラプロジェクト、貿易、エネルギー、イノベーション政策など日本政府との調整業務に多数携わる。
その後、経済産業研究所、日本エネルギー経済研究所など、国際関係やエネルギー分野の企業・団体へのアドバイザリー業務に従事。
2020年より日欧産業協力センター専務理事(日本側)。
エネルギー問題に関する著書や論文がある。東京大学、ハワイ大学で講義を行う。
■最近の活動